フィリピン

マニラ市内の移動は【Grab】が超便利!

Grab(グラブ)はシンガポールに本社を置く、配車サービスアプリです。

シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジアの主要都市で使用することができます。
(2018年5月時点)
※2018年4月中旬、同様の配車サービスUberがフィリピンから撤退したため、現在フィリピンで使用できる配車アプリはGrabのみとなっています。

実際にマニラ市内で数十回と使用してみて、その安心感と便利さに感激したので、メリットや使用方法、注意点などを詳しく解説していきたいと思います。

Grab Car か Grab Taxi か

まずグラブには大きく分けて2つのサービスがあります。
ひとつはタクシーの配車をするGrab Taxi、そしてもうひとつは、いわゆる白タク(一般乗用車)を配車するGrab Carです。
エリアによってはこの2つに加えてGrab Shuttle(シャトルバス)、Grab Cycle(自転車)等いろいろな交通手段が選べるところもありますが、マニラではTaxiかCarの2択になります。

どちらも料金にそれほどの差はありませんが、白タク(Grab Car)の方が車が綺麗なことが多く、運転や人当たりもいい方が多いので、私はGrab Carの方をよく使いました。
ただ、タクシーの方が車両数が多く捕まえやすいこともあるので、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

Grabを利用するメリット

  • 乗る前に代金がわかる

    乗車と降車位置を入力した時点でアプリ上に金額が表示されるから安心。
    メーターでどんどん上がっていく料金にハラハラしたり、事前交渉した金額より高い金額を請求されるなんてことは一切ナシ!

  • 言葉がわからなくても地図で伝わる

    普通のタクシーの場合、行き先を伝えるのも一苦労。
    だけどGrabならアプリに行き先を入力して、出てきた候補地から選ぶだけだから楽々。
    地図にも表示されるから間違える心配もナシ!

  • GrabブースならスマホがなくてもOK

    空港や主要観光名所にはGrabブースがあり、そこのスタッフが代わりに情報入力して配車してくれる。(タブレットが置いてあり、それを利用してセルフで呼ぶタイプのブースもあり)
    ただし、待ち時間が長かったり、ブースが常にオープンしているとは限らないのでこれだけを頼りに移動するのは危険。

  • ドライバーの評価を見れる

    ユーザー評価が★5段階で付いているから、Book(予約)して割り当てられたドライバーの評価が低ければキャンセルしたってOK。
    後のユーザーのために、利用後は自分も評価を忘れずにしておこう。(「安全に到着しました」ボタンを押すと評価画面に切り替わる)

  • チャット機能もついている

    地図の目印だけでは伝わらない情報は、チャット機能で追加連絡が可能。
    「〇〇ショップの前で待ってるよ」「3人組だよ」など、相手が探しやすい情報を教えたり、またドライバーさんも「到着したよ、どこにいる?」といった簡単なメッセージを送ってくれたり。
    人が多い場所でのピックアップもとっても安心!

  • リアルタイムで場所がわかる

    お迎えに来るドライバーさんが今どこらへんにいるのか、あと何分で来るのかはもちろん、自分が乗車したタクシーが今どこを走っているのかもアプリ上のマップで常に確認できるから安心!

  • 混雑を避けて目的地へ

    乗車中のGrabの地図は道路の混雑状況が色分け表示されているので、どの道を行くのが最適かが一目瞭然。
    もちろんドライバーはGrabアプリのナビを使用して運転しているので、最適なルートを運転してくれます。

  • 支払いが簡単

    現金での支払いでもいいけれど、もしクレジットカードがあるならクレジットカード払いがオススメ!
    事前にクレジットカード情報を登録しておき、予約時に支払い方法をクレジットカードにすれば、到着したら"thank you"と伝えて降りるだけ!
    細かいお金を持っていなくておつりが貰えないなんてこともなくなる。
    心地いい運転をしてくれたり、重い荷物を持ってくれたり、長い渋滞だったりした場合は別途1割(10~20ペソ)程度のチップを現金で渡そう。

  • 車が綺麗

    Grabが登録車両に基準を設けているのか、たまたまなのかはわからないけれど、Grabで呼ぶタクシーはその辺で呼び込みをしているタクシーより断然綺麗。
    特に白タクのGrab Carは日本で走っている車と遜色ないほどいい車が多い!

Grabを利用するデメリット

  • Wi-Fi環境が無いと使いにくい

    スマホアプリで呼ぶ場合には、当然ネット環境が必要に。
    ホテルロビーで予約を済ませ、ドライバーが決定したらナンバープレート情報等を写メして外で待機する、というやり方も可能ではありますが、キャンセル連絡・チャット受信ができないのでちょっと不便。
    移動が多い旅行になりそうな時は、レンタルモバイルルータやSIMカードを準備するのがベター。

  • 混んでいるとなかなか捕まらない

    夕方の帰宅ラッシュ時間帯や、中心部の混雑地域ではなかなかドライバーが見つからず、予定通りの時間に行動できないことも多々。
    ヒント:ひたすら予約ボタンを連打して待つよりは、1ブロックでも動いて車が停まりやすい道路を乗車位置に選ぶと捕まえやすい。
    またGrab Carを選択している場合はGrab Taxiに切り替えて予約してみよう。

  • Grabブースは長蛇の列

    ネット環境が無い人でもサービスが使えるように、空港や主要観光スポット、主要ショッピングモールにはGrabブースが用意されている。
    スタッフに行き先を伝えると呼んでくれるタイプと、タブレットが置いてあってセルフで呼ぶタイプがあるが、どちらの場合も先着順で並んで待つ必要があり、いつも長蛇の列ができていたり、スタッフが不在でクローズしている場合もあり、あまり頼りにはできない。
    ブースの列が1時間でも、すぐ隣で自分で呼べば2分で乗れたりするので、後者を選べるようにモバイルルータ等を持参するのがオススメ。

Grabの使い方-詳細

アプリのインストール・ユーザー情報の設定

まずはスマホにアプリをインストールしましょう。 

  

今のところ英語と利用国言語のみにしか対応していませんが、直感的に操作できるつくりになっているので、簡単な英語が理解できればすぐに使えます。

インストールが完了したら、画面の表示に従って名前や電話番号(日本のものでOK)、メールアドレス等を入力しましょう。
あるいはGoogle やFacebookアカウントと連携させることも可能です。

乗車位置・降車位置を指定する

【地図上で指定する】

①乗車位置フィールド(Pick-up)をタップします。

②候補リストの最上部の "Select location from map" をタップします。

③地図上にGPSが推測する自分の位置()とピン表示されます。
青いピンの位置を指で動かして乗車希望位置に動かします。
は実際の位置と多少ずれがある場合があるので、周りの建物の配置等をしっかり確認してください。

④ピンの移動が完了したらConfirm(またはSet here as pick-up point)をタップします。

⑤同様に降車位置(Drop-off)も指定します。

⑥両方の位置を指定した時点で料金が表示されるので確認しましょう。

 

【文字入力で指定する】

場所の名前を入力して指定することも可能です。
その場合は、付近のお店の名前や観光地の名前を入力しましょう。
入力後に候補リストが出てくるので、正しいものを選択しましょう。
リストには現在地からの距離も併記されているので、同店名が複数存在する場合には距離を参考に最寄りのものを選びましょう。
また大型ショッピングモールや広い観光地は予め複数個所のピックアップポイントが設定されているので、一番待ちやすい場所を選びましょう。

◆ワンポイント◆

候補地リストの横にある★マークをタップすると、その場所をお気に入りに登録することができます。
宿泊場所やよく行く場所をお気に入りに登録しておくと、降車・乗車位置の入力箇所をタップするだけで候補のトップに毎回出てくるので指定するのが簡単になります。

支払い方法を選択する

Grabの支払い方法は、現金かクレジットカード(VISA/Mastercard)、あるいはGrabPayという独自のチャージマネーの3種類が用意されています
旅行者の場合は、現金かクレジットカードのどちらかが良いでしょう。

画像右上の Payment が支払い方法です
画像はCashとなっているので現金払いを選択している状態です。


クレジットカードで支払う場合は、Cashの箇所をタップ➡ "Add payment method"をタップしてお手持ちのクレジットカード情報を入力しましょう。(VISA/Mastercard)
一度入力すれば、次回からは入力不要でワンタップでCashとクレカを切り替えられます。
クレジットカード払いを選択している時は、カードのロゴとカード番号の下4桁が表示されます。

その他の項目

基本的には支払い方法以外の項目は特にいじる必要はありませんが、念のために知っておきましょう。

 

Tag this trip as・・・Personalのままで構いません。(本来はビジネス利用か個人利用かを選択する箇所です)

Pick-up Now/Later・・・すぐに呼ぶ場合はNowを選択しましょう。

Notes to driver・・・ドライバーさんへの伝言メモです。
"wearing red shirt(赤いシャツを着ている)"、 "waiting at main entrance(メインエントランスで待ってます)"、 "3 people with one big luggage(3人と大きい荷物ひとつ)" 等、ドライバーに伝えておきたいことがあればここに書いておきましょう。

※「10分以内に来てほしい」「〇時までに〇へ行きたい」「割引してほしい」等ドライバーへの脅迫ととられる内容は規約NGです。

Promote code・・・紹介コード、キャンペーンコードがある人はここに入力すると割引が適用されます。

Grab CarかTaxiか呼ぶ乗り物を選択

画面下部に、そのエリアで選択できる乗り物のプルダウンが表示されるので、いずれかを選択します。(初期設定ではGrab Carが選択されていたと思います。)
マニラの場合はGrab CarかGrab Taxiの2択ではありますが、その中でもGrab Car (6-seater)、Grab Car(8-seater)など座席数を指定できたりすることもあります。

【ワンポイント】
マニラにおいてはGrab TaxiよりGrab Carの方が車の手入れが行き届いていて乗り心地もよく、ドライバーのマナーも良いことが多いです。
まずはGrab Carを選択してみて、なかなか捕まらない場合はTaxiに切り替えてみるのがいいでしょう。

ドライバーを探す

すべての項目を見直して問題が無ければ、一番下の【BOOK】ボタンをタップしましょう。
"We are processing your booking..."  ➡ "Finding you a nearby driver..."
と画面が切り替わり最寄りの空車ドライバーを探し始めます。

サーチ中はいつでもキャンセルが可能です。
早ければ10秒程度、混雑時には1分程度で「見つかりました」あるいは「みつかりませんでした」の画面に推移します。

【みつかった場合】

上の画像の様に、ドライバーの写真、名前、評価、ナンバープレート情報、車種と色の情報が表示されます。

この画面は周りをタップすると消えますが、いつでも画面下からスワイプすることで呼び出すことが出来ます。
また、この画面を閉じると、到着までの予定時間が表示されますので、指定した乗車位置に移動して、該当の車を見逃さないように待ちましょう。
チャットアイコンをタップすればいつでもドライバーとLINEのようなテキストチャットのやりとりが可能になります。

※ドライバーが決定した直後であればキャンセルが可能です。
あまりにも評価が低いドライバーは避けた方がいいでしょう。

【見つからなかった場合】


このような画面が出ます。
諦めずに何度も【BOOK】を押すのもいいですが、乗車位置の通りを1本変えるだけでも格段につかまりやすくなるので、交通状況を見ながら、ドライバーが停車しやすい道、行き先の方角に向いている道を選んでみる等してみましょう。
またGrab CarがつかまらなくてもTaxiならすぐ見つかる場合もあります。

乗車する

該当の車が近くに来たら、手を挙げる等してドライバーからも発見されやすいようにしましょう。
到着すると、アプリにも到着のメッセージが表示されます。

お互いすぐに見つけられればCLOSEで閉じてOK。
見当たらないときはREPLYをタップしてテキストチャットで情報交換しましょう。

何も会話がなくても成立するGrabですが、ドアを開けたらハロー、グッドモーニング、グッドイブニングくらいの軽い挨拶はするのが良いでしょう。

アプリに表示されているドライバーの顔写真と見比べ、名前を確認してから乗り込みましょう。
難しく考えず、この場合は ”Ronald?"と聞けばいいだけです。

【ワンポイント】
日本でタクシーといえば後部座席に座り、席が足りない時は助手席に座るのが一般的ですが、フィリピンでは1人であっても助手席から乗るのが一般的です。
逆に後部座席に座ると「THE・観光客」でいいカモに見られてしまうこともあるので、フィリピン慣れしている素振りで助手席に乗り込むのがオススメです。
また、走りだせばすぐにわかると思いますが、マニラの運転マナーは東南アジアでもかなり酷いレベルです。
一応信号は守りますが、車線やウィンカーなんて意味を成していません。
なので乗車したら助手席・後部座席かかわらず必ずシートベルトをきちんとしめましょう。

支払いをして降車する

現金の場合は、事前にアプリに表示された額を支払います。
細かいおつりを持ち合わせていない場合があるので、なるべく細かい紙幣・コインで支払うのがベターです。

クレジットカードの場合は、何もする必要はありません。
降車してから数分以内に、クレジットカード請求が行われた通知がアプリに表示されます。

【Thank youの一言とドアを閉めるのを忘れずに!】
降りる時は英語が出来ない人もThank youくらいは伝えましょう。
そして自動ドアではないので必ず自分でドアを閉めることをお忘れなく!

【ワンポイント】
フィリピンにはチップ文化がありますが、タクシーにチップを払う人はあまり見かけません。
大きな荷物を運んでもらったり、大渋滞で予定より大幅に時間をとらせてしまったり、会話が弾んで親しくなったら、降りる際に20ペソほど(気持ち次第)渡しましょう。
基本的にGrab Carで呼んだドライバーさんはチップにあまり慣れていないので、とても喜んでくれたり、中には「そんなのいいですよ」と恐縮するドライバーさんもいます。

到着・評価する

以下は必須ではありませんが、なるべく行うようにしましょう。

到着したら、"I have safely arrived" (安全に到着しました)というボタンをタップしましょう。
次にドライバーの評価画面に切り替わりますので、5段階評価の★をタップし、何かコメントがあれば入力して"Submit"(提出)をタップしてすべて完了です。

空港でGrabを装ったスタッフに注意!

空港にはどのターミナルにもGrabブースが設けられていて、スマホが無い・ネット環境が無い人でも簡単にGrabサービスを使えるようになっています。
第一ターミナルの場合は到着ロビーをでて車線を一つ渡った中央分離帯(?)のようなところの右奥にブースがあり、深夜便の到着であっても行列が出来ているはずです。
Grabのブースは緑色で、Grabのロゴがしっかり付いていますし、スタッフも緑色のユニフォームを着用しています。

そんなGrabブースの手前で"Grab?"と呼びかけてくるスタッフがいますが、彼らは全く別のサービス会社のスタッフです。
「本当にGrab?」と聞いても「そうそう、全く同じサービスだよ」とはぐらかされます。
空港で営業が出来ているくらいなので怪しい業者ではないのですが、Grabと比べると倍以上の金額を請求されるので、定額予算で移動する場合には注意が必要です。
ただし、こちらは高額で誰も並んでいないので、頼むとすぐに乗車できるというメリットがあります。

待ち時間が嫌な人はあえてこちらを選択するのもアリです。
こちらはブースのスタッフに先払いして乗るシステムになっています。

料金の目安

時間帯道路の混雑状況によって値段は上下しますが、おおまかな値段を知っておくと、流しのタクシーに乗るときのボッタクリを回避出来ます。
(以下はGrab Carの場合の目安です。)(1ペソは約2円)

ニノイアキノ空港 ⇔ マカティ
P120~350

ニノイアキノ空港 ⇔ パサイ(MOAやカジノ)
P130~380

パサイ ⇔ マカティ、ボニファシオGC
P130~350

パサイ ⇔ キアポ
P110~300

◆Skywayの通行料について◆
マニラ市内にはSkyway(スカイウェイ)と呼ばれる有料高速道路があります。
場所にもよりますが、市内が渋滞している時(だいたいいつもそうです)はスカイウェイを利用した方が断然早く移動することができます。
この通行料の支払い(45ペソ)は乗客が別途支払うことになります。

乗車時に「Skywayを利用するか?」尋ねられたら、通行料を払うことを踏まえて回答しましょう。
通行料は、料金所の近くでドライバーに現金で手渡しましょう。

 

Grabのまとめ:

日本ではまだ首都圏を中心にわずかにしか普及していない配車サービスですが、東南アジア各国ではかなり盛んに使われているサービスです。
初めて使うときは慣れない操作で緊張しますが、一度使ってしまうとコレ無しでは旅行できないほど簡単で便利なアイテムとなるはずです。

これまで旅行者にとってタクシーは「ボッタクリにあったらどうしよう」「メーターちゃんと倒してくれるかな?」「値段交渉が面倒だな」といった不安要素がいっぱいでしたが、Grabはそんな不安を全部吹き飛ばしてくれるサービスなので、是非利用してみてください。