ラスベガスの中心街から少し離れた位置に2016/11/26にオープンしたばかりのラッキードラゴン・ホテル&カジノだが、今年1月にカジノとレストラン業務の一時停止を発表していた。
そしてついに、3/27に自己破産の裁判を迎えると同時にホテルを含めた全営業の完全停止することを発表した。
まだ真新しい施設のため、今後どのように扱われるのかに注目が集まっている。
このラッキードラゴン、母体はMGMやSands等の大手カジノ企業ではなく、主に中国の個人投資家集団による投資物件カジノであった。
一定額以上(現行では50万ドル以上)の投資を行うと米国の永住権が貰えるというEB-5プログラムを狙った投資である。
中国人にとって米国の永住権は、日本人が思う以上に喉から手がてるほど欲しいモノなのだ。
当然カジノ運営経験のない素人集団であり、運営そのものよりも永住権のためにお金を出しているだけの人たちがトップにいるのだから、オープン前からその雲行きを怪しむ人は大勢いたが、こんなにも早く終焉が訪れるとは誰も思っていなかったかもしれない。
ラッキードラゴンのターゲットはオープン当初から中国のミドル階級に的を絞っており、カジノやレストラン・ホテル内部の表記は全て中国語、料理もアメリカナイズドされたチャイニーズ料理ではなく、本場の中国料理を堪能できるものになっていた。
とはいえ、中国人客の多さは世界中のどこのカジノでも鰻上りであり、どこのカジノもある程度は中国人を意識した戦略を取っており、ここにきて中国人のみをターゲットにしたカジノをオープンすることにそもそも需要が無かったようにも思える。
実はラスベガスにはこうした個人投資家集団によるカジノが他にもいくつか存在しているが、どれも経営はあまり順調とはいえないようだ。